きまま園さん


東谷さん

金峰町の有機農家、きまま園。


東谷さん夫婦と息子の頼人さんの3名で年間と通して多品目を栽培している。早期米、玉ねぎ、里芋、セロリ、しょうが、長命草、ハンダマなど10種類程だ。

頼人さんが県外から帰って手伝うようになり9年になる。「任せられるから助かってる。おかげで少し楽になった」と話す東谷さん。後継者不足が深刻な問題となっているが、頼人さんの存在は実に頼もしいことだろう。

東谷さんは24歳のとき、漁師を辞め鹿児島に帰郷した。肉牛農家をしていた消防で30年間働きながら農家を続けられたのは奥さんの妙子さんのおかげだ、と話す。「恩返しをせんとね。一緒に楽しみながら農業を続けたい」と照れくさそうに語る東谷さんはとても素敵だった。

狩猟犬が田畑のまわりの草を舐め、死んでしまう。航空防除や除草剤散布による被害である。周辺農家を説得し、航空防除を辞めさせた。本格的に野菜づくりを始める3年前のことだ。「作業は大変だけど苦ではない」という言葉にはそうした悲しい経験が込められているように感じた。

「田んぼ地帯なので作れる野菜も限られるし、連作しないように植え付ける場所も考えないといけない。多品目つくると考えることがいっぱいだ」と言いながらも笑顔が絶えない。

環境へ負荷をかけない、動植物の共栄共存。それを可能にするのは他者への思いやり、愛情なのだと思う。

そうしたことを日常の中で考えられる人間でありたいものだ。


0コメント

  • 1000 / 1000